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【ミライづくりブログ】SMO南小国 未来づくり事業部に所属するコーディネーターたちの、日々の活動を紹介していきます。
2021-03-05

南小国産あか牛直売事業とは

皆さん、こんにちは!

未来づくり事業部・アグリコーディネーター(農業担当)の宮本です!!

先日行った「直弥祭り」(田原さん送別会)にて。

このブログでは、ミライづくり起業塾やしょく場づくり事業など、未来づくり事業部のコーディネーターがそれぞれの担当するプロジェクトを紹介してきましたが、私からは現在、協同型事業のサポートとして携わっている『南小国産あか牛直売事業』をご紹介します。

その前に、まずは“あか牛”について。

一般的にあか牛と呼ばれているのは「肥後のあか牛」と「土佐のあか牛」。

それらに代表される褐毛和牛(あかげわぎゅう)の来歴は古く、とくに肥後のあか牛は日本神話に登場する健盤龍命(阿蘇大明神)が阿蘇の湖水を開拓して田畑を作り、放牧をして農業を始めた頃から馬とともに飼われていたと伝えられています。

(Wikipedia参照:https://ja.wikipedia.org/

そんなあか牛に関する南小国町の現状ですが、現在、南小国町では、あか牛の繁殖農家さんは23件。
放牧管理をしている農家さんもおり、その方法は「夏山冬里方式」で行っています。

※ 夏山冬里方式… 春から秋の半ばまで野山に牛を放牧し、秋冬は里の牛舎に下ろす飼育法

30頭以上で、あか牛専業農家として経営が成り立つそうなのですが、南小国町としての課題は、やはりあか牛農家さんの減少。

事業者の高齢化や担い手不足、飼料の高騰など、その原因は様々です。

そこで、南小国町で育てたあか牛を自分たちの手で精肉して販売すれば、美味しさや魅力をしっかりと伝えることができ、あか牛農家を目指す人や、草原に興味・関心がわき、阿蘇の“野焼き”を手伝ってくれるなど、地域文化を支える人が増えるのではないか?

というのが、このプロジェクトの起点です。

【町内産のあか牛を地域で循環させる仕組みを】

南小国町内の事業者が町内又は近隣地域の複数事業者と連携・協働により、事業を通して新たなファンを獲得し、ファンの力も借りながらコロナ禍における経済低迷の逆境を克服するための事業を支援するための補助金制度である「南小国町協働型逆境克服チャレンジ支援事業補助金」。

今回は、この補助金に申請し、町内の事業者で連携してプロジェクトを進めていきました。

南小国町あか牛販売会の挑戦として、南小国町で畜産を営む農家2事業者が今回のプロジェクトで目指したのは、南小国町であか牛の肥育から販売まで行う仕組みづくり。

従来の手段では、仔牛を肥育(肉屋に売れる大きさまで育てること)し、市場へ卸を行い、肉屋さんが販売を行いますが、この流れでは農家さんの手元に次の仔牛を買うための利益も残りません。

この状況が続くと、南小国町にあか牛を育てる農家がいなくなってしまうのではないかという危機感を抱き、農家が直接お肉を事業所へ販売する仕組みづくりを、SMOのコーディネーターとして考えました。

プロジェクトの今年度の取り組みとしては、あか牛販売会で育てたあか牛の 1 頭をお肉に加工し、このあか牛を介した地域循環の取り組みに賛同してくれる南小国の事業者(旅館・飲食店)に半頭。一般の方々に半頭を提供するトライアルを実施。

見事に完売しました。ご購入してくださった皆様ありがとうございます。

現在、販売できるお肉は、ふるさと納税や町内の旅館・飲食店に卸し、来年以降もあか牛を事業として持続できるよう、振り返りを行っています。

このプロジェクトに関して、南小国町あか牛販売会・代表者の佐藤勝明さんからは、このような声がありました。

 「今までもあか牛販売会の構想はあったが、SMO南小国があったからこそ事業化まで実現することができた。これからは、本当に事業を持続できるかが試される時期なので、引き続きSMO南小国と連携して進めていきたい。」

コーディネーター冥利に尽きる言葉です。
本当にありがたいですね!

自分たちで育てたもの、つくったものを販売まで手がける事は、簡単なようで、とても難しいことです。

今回のような取組みをきっかけにして、南小国産あか牛販売会もさらなるステップを踏んでいくことでしょう。
事業化までは、精肉施設の建設や雇用など、様々な壁はありますが、それを乗り越えながら進めていってほしいです。

その際はのコーディネーターとして、しっかりサポートしていきます。
皆さんもこのプロジェクトへの応援をよろしくお願いします!

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